蘇鉄(ソテツ)は、奄美では昔から幹や実からデンプンをとる救荒植物としても利用した。
薩摩藩が奄美を支配していた頃から戦後にかけて奄美は食料が乏しく、度々飢饉などの食料難に見舞われる事があった。食べずに餓死を選ぶか、食べて死を選ぶかの瀬戸際に立たされたため「ソテツ地獄」という言葉も生まれた。そんな時の島民の貴重な食料となったのが蘇鉄の実(奄美の方言で「ナリ」)。しかし、実はサイカシンという有毒で発がん性のある成分を含んでいるので、蘇鉄味噌は「解毒発酵」といわれる独特の作り方をしている。また葉は大島紬を染める泥田の鉄分補給用にも使われる。/龍郷町安木屋場集落
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